うんこ

505. うんこ の帰り道

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やっと終わった うんこ の展示会

彼らは これから約1,000km離れた場所へと帰っていく

借りた車は、4うんこ乗り

彼らは皆んなで、5うんこ

つまり誰か、1うんこ が車に乗れない、帰れないのだ

 

睨み合いが続いた

先に動いた者が「負け」なのは全員が知っている

何故か?

皆んなで、そう約束したからだ

後悔しているのが分かる

先に動いた者が「勝ち」なら、とっくに勝敗はついているから

10分、1時間、半日、時間だけが過ぎていく

 

不毛な戦いに痺れを切らした年配の うんこ が口を開いた

緊張の中、彼の口を見入る うんこ 達

「た」

えっ?

何が起こったのか誰にもわからない

ざわつく中、年配の うんこ がまた何かを言おうとしている

次に出てくる言葉は一体?

シーン

「こ」

???

「た」「こ」、、、

たこ

あ〜 たこ?

たこ か!

皆んなの顔が、綻び、緊張は一瞬にしてなくなり、笑顔が溢れた

大笑いをする者、手を叩き腹を抱える者

陽気なダンスをする者

 

最初から一部始終、彼らを撮影していた私は一体全体 何が起こったのか分からなかった

おそらく うんこ だけが分かる合言葉だったんだろう

彼らだけにしか分からない幸せな言葉

 

私は、大型バスの運転席に乗り、その1,000kmを一人ゆっくりゆっくりと運転して帰った

言ってくれれば乗せたのに、、、

 

 

 

 

 

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