はーい
前の、そこの、ちょっと止まりなさ〜い!
えっ? 何で?
スピード?
はい、はーい
左寄ってー
一時停止だったっけ?
キーッ
はい、お兄さん
あの標識見えなかったかな?
ど、どれですか?
あれ、ほらっ
あそこ、おなら禁止なんだよね
え?
おなら禁止?
そんなのあるんですか?
皆んな出してますよ
ほら、今だって、ほら
違う、違うんだ 君のは
えっ?
僕の おなら が違うってどういう事ですか?
クサいんだよね クサいの
はい、免許出して
待ってくださいよ
僕の おなら がクサい、、、
なんかよく分からない
誰が「クサい」とか「クサくない」とか決めるんですか?
お嬢さんだよ
えっ! お、お嬢さん?
あぁ、お嬢さんが言った事は正しい
お嬢さんが「黒と言えば 黒」「クサいと言えば クサいんだ」
それは知ってるだろ?
はい
そうだったんですか、、、
僕の おなら は、お嬢さんには「クサい」ととられたわけか、、、
でも、どうして?、、、
あの、、、
お嬢さんに会わせてもらえませんか?
馬鹿な事を言うんじゃない!
お嬢さんだぞ
俺たちだって、お会いした事がないんだ 会えないんだよ
一般人が会える訳ないだろ
いいえ
僕は一般人ではないんですよ
僕は、おなら なんです
一般かも知れないけど「人」ではなく「おなら」なんです
えっ!
君は おなら を出したんじゃなくて、おなら なのか!
はい
僕の おなら のニオイを否定されたのなら、まだ諦めもつきますが、
僕の人格、つまり、おなら そのものを否定されたと思うと、やっぱり納得出来ない
お嬢さんと会わせてください
う〜ん
確かに君の言う通りだ
お嬢さんも、きっと君が おなら だったとは思っていないだろう
おなら は「クサい」に決まっているんだから、それに追い討ちをかけるかのように「クサい」なんて言うお方じゃない
上と掛け合ってみるよ
ピ、ピー、ガー、ガー、、、
はい、そうです
ええ、もし、お嬢さんに、、、はい
あ、そうですか
はい、分かりました
伝えます はい
どうでした? どうだったんですか?
あぁ、
「クサくない」そうだ
そうですか、、、