うんこ

235. うんこ をとばす 3

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僕の父は車の整備工場を営んでいた

毎日、毎日、朝から晩まで仕事をしていた

もちろん休みの日も

その頃って「長く」「真面目に」「一生懸命」仕事をしていれば会社は、なんとかまわっていく時代と言われていた

夜遅くに疲れて帰って来た父が、ご飯を食べている途中で口を開けたまま寝ている姿を見た時、悲しいというか、胸が締め付けられる様な思いだった

今はいない父との思い出は、そう多くない

たまに父が昼間ほんの少し時間が空いた時、ヴァイオリンを奏でている僕を呼んで近くの河原に行った

限られた時間のなか、僕らはとにかく急いだ

遊ぶ時間は、そんなに長くない

父が時間をかけて整備した、古いけど唯一の僕らの車で出来るだけ速く河原へと走った

そう、その車の名前は「うんこ」

文字通り「うんこ」を飛ばしたのだ

楽しかったなぁ

でも、ガレージにある あの頃の「うんこ」はもう動かない

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コメント

  1. ポコちゃん より:

    物を大切に扱えない人間は
    正しい人間ではない☆

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